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インタビュー「僕のルール・私の理由」

世界の子供にワクチンを・・・JCV

2010年2月に開かれた卓球の全日本選手権大会。卓球界で初となるワクチン寄付が話題を呼びました。寄付を行ったのは、平野早矢香選手や石川佳純選手など日本代表選手が所属するミキハウススポーツクラブ、およびミキハウスジュニアスポーツクラブの9名の選手たち。そのとき、直径4センチの小さな1球1球は、彼女たちにとってどんな意味をもっていたのでしょうか。主将の平野早矢香選手に話を聞きました。
ミキハウススポーツクラブ 卓球部 平野早矢香さん

たくさんの国がいろんな困難を抱えてる 遠征先で見てきた現実

 

卓球競技は、毎月何か大きな大会があり、年中各地を転戦しています。そのうち、3分の1から2分の1は海外遠征です。試合で外国に出かけると、日本は本当に恵まれているんだなぁと感じます。貧富の差が激しい国、治安の悪い国、いろんな国がありますから…。


昨年末にアジア選手権でインドへ行きました。ものすごく人が多くて、いろんな人がいて。バスの窓に向って、物乞いのために手を伸ばしてくるたくさんの子どもたち、地べたに寝ている明らかに栄養失調の子どもたち…。でも選手団として行っている以上は自分だけ勝手な行動をとるわけにいきません。バスの中から見ているしかできず、複雑な気持ちになりました。ストリートチルドレンのことなど、テレビやニュースで知ってはいましたが、実際に自分の目で見るのはまた全然インパクトが違いました。帰ってきてからも、あの光景を忘れることはできないです。いつか自分たちにできることがあれば、何かしたいと思っていました。

平野早矢香

寄付や国際貢献と聞くと難しいって思ってしまうけど、今回は会社から寄付のルールの提案があって、はじめるためのとてもいいきっかけになりました。

平野早矢香

選手権の後、JCVへ寄付を届けに行きました。その際に実際ワクチンに触らせてもらったんです。日本で一般的にイメージする注射器のワクチン接種とはずいぶん違うものもあり、おどろきました。

寄付贈呈式の様子はこちら

卓球をしていても力になれる プレーをすることが支援につながった!

そんなとき、チームから「1ポイント10ワクチン」の提案をもらいました。今年1月の日本選手権で、ミキハウスチームのメンバーが1点をあげるごとに、10人分のワクチン※を寄付しようという企画です。卓球界のなかでも初の試みだったので話題になりました。自分のプレーを通して何かに貢献をするというのは初めてのことだったので、とにかくとてもうれしかったですね。1人ではなくチームではじめられるのも良かったです。みんなで、「すごいねぇ!」と言い合いました。
※ワクチンの価格についてはこちらをご覧ください。


試合中は何よりも、勝とう、優勝しよう、と集中して臨むので、いつもとそれほど変わりませんでした。でも試合後に、「○○ポイントだから○○○人分のワクチンが贈れた」ということを知らされると、本当にうれしい気持ちになりました。結局ミキハウスチーム9名のポイント獲得数は合計で2,262点となり、22,620人分のワクチンを贈ることができました。今後も機会があればまた寄付のルールにチャレンジしてみたいですし、個人でもなにかできたらいいなと思っています。


平野早矢香

先日実家に帰った時、祖母から戦争の時のことを聞きました。当時は生きるのに必死だったんですね。戦争はほんとうに嫌です。

平野早矢香

四川の大地震のとき、卓球の合宿でお世話になったことのある家族が亡くなられました。それを聞いたらじっとしていられず、迷わずに寄付をしました。私自身も、寄付や国際貢献と聞くと難しいって思ってしまうタイプ。でも、それぞれの人にとって、行動を起こすきっかけはあると思うんです。

日本に生まれて、好きな卓球ができる そんな私にできることは…

今、日本ではやりたい仕事に就けない人が多いですよね。世界を見渡せば、仕事どころか、命の危険にある人たちもたくさんいる。そんななかで、まず卓球という大好きなことをやりながら、安心して暮らしていける自分は本当に恵まれているなと思います。この時代、いくつも問題がある中で、すべての国や人が完全に平等になるというのは難しいことかもしれません。でも戦争とか争い事は、減らしたり、防げたりできるんじゃないかなと思うんです。


もちろん今の私は、紛争地に行って具体的な支援ができる立場にはありません。でも、卓球というスポーツの場で私のプレーを見てもらうことで、たとえば、あまり日本に対していいイメージを持っていなかった人の印象を変えることならできるかもしれない。1人でも2人でも日本に対するイメージをいい方に変えてくれることができたら…。そういうことから、もしかしたら何かが変わるかもしれない、と思うんです。まずは、どんな国のどんな相手とも誠実にプレーをすること。そして、試合後は、対戦相手や監督などと丁寧に握手をすること。そんなことを大切にしていきたいと思っています。

平野早矢香

卓球をやってよかったのは、「いい時期に、いい人たちに出会えたこと」

平野早矢香

ほとんど毎日練習で、週1回くらいお休みがあります。オフの日はミキハウスチームのみんなと日帰り温泉に行ったり、おいしいものを食べたり。映画やカラオケにも行きます。でも卓球のことをちゃんとしてないと遊んでいても気になってしまうんです。メリハリが大事ですね。


平野さんは「私1人ができることは小さいことだけど」何度もそう言っていたよ。でも、そんな平野さんを見つめる目は何千人、何万人といるんだよね。だから世界はきっと、少しずつ変えていけると思うんだ。平野さんの次の目標は、ロンドンオリンピック! 誠実な想いを持ってプレーする平野さんのことを、みんなで応援しよう。そして平野さんと一緒に、世界を変えていこう。

平野早矢香
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