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インタビュー「僕のルール・私の理由」

世界の子供にワクチンを・・・JCV

たとえば、ある日。あなたはラーメンが食べたくなって、お店でラーメンを食べたとします。その代金が、遠いどこかの国のワクチンのために寄付されていたとしたら…、とても素敵だと思いませんか。 そんな、ユニークなルールをこっそり行っているラーメン屋さんが大分県にあるのです。

お客さんへ押しつけにならないように さりげなく。そして、ちょっと楽しく

 

最初のお客さんが注文したメニューの代金を寄付するというのは、とてもいいアイデアですね。ラーメン1杯につきワクチン1人分とか、1日の売上げの1パーセントとか、いろんなやり方があったと思いますが、どうやってルールを考えたのですか。

このルールは、店を陰から支えてくれている妻の由美子のアイデアなんです。一日の仕事が終わった後、売上げレシートを出すんですが、その一番最初の欄にある金額がその日の寄付金となります。毎晩、レジからその金額を取り出して募金箱に入れています。でも、お客さんの負担になってはいけないと思うので、お客さん自身にはお伝えしていません。

寄付金は、貯めなきゃ!と思うと、プレッシャーになりますよね。だけど、ルールを作ると、無理なくしぜんに貯められるんです。それにこのルールだと毎日、寄付する金額が違うので「今日は、いくらかな」と楽しみもあります。

募金箱は、レジのそばに置いています。関心のある人は「あれは、なに?」とたずねてくれるので、その方にはワクチンを届けるための募金であることをお話しするんです。寄付をしてくれるのは、20代から30代くらいの若い男性が多いんですよ。うちの店では、サラリーマンよりもとび職など、ガテン系の方のほうが関心が高いようです。

この日1人目のお客さん。「自分の代金が寄付されることについては店主さんは何も言われないので、全然わかりませんでした。それなら、もっと高いものを頼めばよかったですね」

学生時代からの常連さんという若いサラリーマンのお話。「野々下さんは、おもしろくて芯のしっかりした信頼できる人です。募金箱が気になって、声をかけたら、いろいろ教えてもらいました。普段は寄付はしないんですが、団体で食事をしたときは、みんなで寄付をしています」

たくさんの人のおかげで、 今の自分たちがある。その恩返しがしたい

どうして寄付をしようと思われたのですか。

この店は2007年4月15日に開店しました。それまでは6年半ほど屋台で営業していたんですが、あるご縁から思いがけず開店させてもらうことになったんです。金銭的、そして精神的な面で多くの方から援助をいただいて、今の私たちがあります。ですから、自分たちもできることで、恩返しをしていきたいと思っていました。

JCVについては、和田さんの「僕のルール」の活動を通じてなんとなく知っていました。その後、JCVの新聞広告を見る機会があり、その内容を深く知って募金したいと思うようになりました。JCVの活動は、子どもにワクチンを届けるという内容が具体的にわかるところが、とてもいいと思いました。

私がラーメン店をやっているのは、自分の作ったラーメンを食べたお客さんがニコッと笑ってくれるのがうれしいからです。今は「食」を通じて人に何かを与えているわけですが、特に「食」にこだわっているわけではないんです。今後、もしかしたら別の仕事をしている可能性もあると思います。

「1歳から100歳まで、みんなが安心して食べられるラーメンを作っていきたいですね(直文さん)」
「私たちには2人の子どもがいて孫も生まれたのですが、赤ちゃんが生まれたらいろいろ大変ですよね。ワクチンが足りないことで、幼い命が失われることはとても痛ましいことだと思います(由美子さん)」

野々下さんは、以前は医療機器メーカーのお仕事をされていたそうです。ワクチン寄付の底流には、「どんな職種でもいいから、誠実な仕事で誰かを幸せにしたい」というキモチがあるようです。

「早くこのお金を届けてよ。 こうしている間に、子どもたちが亡くなっちゃうよ」

個人ではなく、お店で募金をされることで、さまざまな人に寄付への関心を広げることになっていますが、そのあたりについてはどのように感じていますか。

募金をはじめた頃、以前募金箱にお金を入れてくださったあるお客さんが「いつになったらこのお金を寄付先に届けるの? 早くしないと、こうしている間に子どもたちが亡くなっちゃうよ!」と言われたんです。ほんと、おっしゃる通りですよね。しまったなーと反省すると同時に、うちのお客さんがただ単に寄付するだけじゃなくて、その先のことまで考えてくれていたことが、とてもうれしかったです。それで、すぐにJCVの事務局に電話しました。振り込み用紙を送りますと言われたのですが、一刻も早く送金したかったので振り込み口座を教えてもらい、すぐに銀行へ走りました。

ほかのお客さんも、募金箱にどのくらいお金が集まっているかが気になるようで、「おれの貯金、いくら貯まったかな」なんて言う方もいらっしゃるんですよ(笑)。「あれは、おまえの貯金じゃないよ」と言って笑い合ったり。そういう会話ができることが、うれしいですね。

今野泰幸さん

名物の「飛天ラーメン ステーキチャーシュー」。地元のブランド豚を贅沢に使った豪華なメニュー。

今野泰幸さん

屋台時代からの常連さんも多いそうです。大分を離れた人のなかには、帰省の際に実家よりも先にこちらを訪れる方もいらっしゃるとか。


直文さんは、お客さんからとても慕われていて、いいお兄さんみたいな存在らしい。ラーメンがおいしいことももちろんあるけど、直文さんに会いたくてお店にやってくる人も多いんじゃないかな。そんな信頼できる人が、さりげなくやっている寄付活動。直文さんの言葉を通して、寄付することの大切さがひとつひとつ広がってくれるといいな。

信頼できる人が、さりげなく寄付活動。
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