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インタビュー「僕のルール・私の理由」

世界の子供にワクチンを・・・JCV

東京、銀座のおしゃれな並木道に、ミエルという名前のドーナツ店があります。たくさんドーナツを買ったとき、通常では紙製の箱で包装しますが、お客さんが簡易包装を希望すると、ワクチン1本が寄付されます。このあったかいルールがどうやって生まれたのか知りたくて、お店をたずねてみました
株式会社奥村組 東北支店  新唐桑トンネル工事所 所長 岩崎 光さん

 

うまく貫通したときの感動は、なにものにもかえがたい

トンネルを掘る仕事は、過酷な面も多いと思いますが、
どんなやりがいや、おもしろさがありますか?

トンネルを掘る仕事は、いつも初めての土地と向き合います。山なども表面的には、どれも同じように見えるかもしれませんが、東北と北陸では地質が異なるなど、土地によって山の中身が違うんです。もちろん事前に調査は行いますが、計算だけではわからないことが多い。掘り進むうちに固い岩にぶちあたったり、何が出てくるかわからないんです。ですから、予定通りに掘り進めることは、案外むずかしいものなんです。

トンネル工事に際しては、事故防止に細心の注意を払う必要がある上、ダムなどの工事と違って24時間体制で行っています。現場を預かる者としては責任が大きく、気の休まる暇がありません。大地が相手ですから、いくら技術があっても人間の思い通りにはいかないのですが、長くやっていると「ここは、こういう感じでいけるな」という風に、自分の経験が現場に生かせるんです。それに、ねらい通りうまく貫通したときは、本当に感動的です。27年間で8本のトンネル工事に関わりましたが、貫通したときのことは、どれもよく覚えています。

私たちは、トンネルを掘る仕事に誇りを持っていますし、地域のみなさんの役に立つものを作っているという自負があります。一般の方に少しでも私たちの仕事を知ってもらいたくて、地元の学校などに向けて手作りの広報誌を発行したり、地域の方を招いてバーベキューを行ったりしています。この広報誌には、「今月は、138mの進行だったので、276本のワクチンを寄付しました」という風に、ワクチン活動についても、報告しています。

写真1

 

日々の暮らしのなかで、地道に続けられる支援を探していた

ルールをはじめたきっかけと理由を教えてください。

以前いた職場に支援活動をしている女性職員がいて、そういう行いもあるんだな、と漠然と感じていました。ワクチンの支援を行おうと思った一番大きなきっかけは、テレビCMで和田投手の「僕のルール」を見たことです。ワクチンを贈る、という具体的な内容がわかりやすく、1球投げるごとに10本というルールもシンプルで「とっつきやすい!」と感じました。

支援活動を行うことについては、正直言って深く考え続けていたわけではありません。ただ、今という時代を生きる一人の人間として、日々のなかで無理なく続けられる支援方法があったら、やってみたいなという気持ちはありました。「僕のルール」のCMには、私のそういう気持ちの答えが全て入っていたのです。ですから、迷わずJCVの活動に参加しようと思いました。

私事で恐縮ですが、先日うちの孫がポリオワクチンを接種してきました。そのとき、こうやって小さな子ども達の命が守られているんだな、と改めて実感しました。私たちは、ワクチンを贈るという社会支援を選びましたが、その他の社会支援も同じくらい尊い価値を持っていると思います。

岩崎 光さん

 

ルール:トンネルを掘る喜びにリンクさせよう

ルールを作るにあたって、工夫したことや配慮したことはありますか?

この工事所では、募金箱も設置しています。個人の善意で随時募金するという方法ももちろん大切だと思うのですが、トンネルを掘るという仕事そのものにリンクさせたルールを作りたいと思いました。私たちは、90mよりも100mという風に、少しでも早くトンネルを掘り進むことに、喜びを感じています。ですから、たくさん堀り進むと、多くのワクチンを届けられる、というルールにすればやりがいが増すのではないかと思いました。今取り組んでいるトンネルが2,000mなので、全部終わったところで4,000本くらいを寄付したいと考えて、1mで2本と決めました。また、会社として取り組むにあたっては、働く人に対して無言の強制にならないように気を遣いました。

写真2

 

活動を行うようになって、なにか変化はありましたか?

貧困に苦しむ国の人々のことが、以前よりもぐっと身近に感じられるようになりました。そして、こうした支援活動が少しでも広がってほしいという気持ちと、自分たちの仕事についてもみなさんにもっと知ってもらいたいという両方の気持ちがより強くなりました。また、ここで働いている人たちの意識も随分変わってきたように感じます。

「だれかのために、何かをしたい」という人たちにメッセージがあればお願いします。

世界のどこかには、ワクチンがないために亡くなる子どもがいるということを知って欲しいと思います。でも、私は多くを語りたくはないんです。私自身がそうなのですが、いろいろ言われると反発心が起こると思うんです(笑)。これまでお話した私たちの活動を見て、なにか汲み取ってもらえるものがあれば、それで充分なような気がします。

世界のどこかに・・・・
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